DAILY ANDSでは8月末に新連載「美人投資流 この夢、どう叶える?」がスタートします。連載を前に、筆者の久富有里加さんにインタビューを行いました。
久富さんは「美人投資ファイナンシャルプランナー」として、女性が自分の夢をかなえられる、前向きになれるためのお金の知識を伝えています。かつては証券会社に勤め、営業ウーマンとして社長賞を受けた経験もあるそうです。
しかしそんな久富さんかつては夢や目標がはっきりとはわからず、悩み、失敗したこともありました。久富さんがどのようにして「失敗」を乗り越え、夢に向かってまっすぐ歩んでいけるようになったのか?そして連載を通して女性たちにどんなことを伝えたいか。その思いを伺いました。
数字に弱い文系女子が飛び込んだのは……予想外の金融業界!
> ーーまずはご経歴についてお伺いします。新卒で証券会社に入社されたということですが、なぜ証券会社に? きっかけは「ワークライフバランス」をテーマにした卒論でした。大学は文学部で、家族社会学というのを学んでいたのですが、そのころ「ワークライフバランス」という言葉が流行っていてですね。色々と調べるうちに、大和証券がワークライフバランスの環境整備が進んでいるとわかり、取材に伺いました。
その取材がきっかけとなり、ご縁があって大和証券に入社しました。2009年のことです。自分も周囲も驚きましたね。金融業界へ行くつもりはまったくなかったんですよ。(笑)
でも、本当に大変だったのは入社してからですよ。落ちこぼれだったので。
> ーー落ちこぼれだったんですか? 社内で「証券外務員」っていう絶対取得しないといけない資格があったんですけど、私はそれに2回落ちた経験があります。(笑)
普通は1回で合格するのに2回も落ちてしまったものですから、人事部に呼び出されてしまって……。怒られましたね~。(笑)
資格がないと店頭に立てないので、3回目の試験で合格するまでの間、ずっと雑務をしたり勉強したりしていました。正直、この時は退屈でした。
ただ、資格を取って外勤の営業になってからは、さまざまなお客様に出会えて楽しかったですね。富裕層のお客様と触れ合うこともできましたし、やっぱりいい会社なので働きながら金融知識を学べた部分は大きいと思います。
## 「自分の仕事」と「やりたいこと」のギャップから独立を意識
> ーー2013年に最初の転職をされていますよね。転職を思い立ったきっかけについて教えてください。 最初の転職は楽天証券ですね。当時は海外でもネット証券会社が台頭してきているころで、インターネットの力を利用した証券会社は自由度も高くて伸びしろがあると感じました。
それまでは大きな会社である程度決まった範囲でお仕事していたのですが、もっと自由に仕事をすることはできないのかな、と考えたのがきっかけです。お客様の層だったり、お金の動かし方だったり、もっと違った目線で仕事ができればいいなと。
実際、転職後は新しいことをやっている実感がありましたし、そのぶんやりがいも大きかったです。
> ーーそして2016年にキッズラインへ転職し、18年に独立して美人投資を立ち上げたんですね。独立を考えたのはいつごろだったんでしょうか? 大和証券時代、友達とメキシコのカンクンを旅行したときに、自分の夢を書き出してみたんです。そうしたら自分の人生の優先順位と、実際に優先している物事の順番が合っていないな、と気が付いたんです。
旅行先で自分を見つめなおしたときに、私が人生で本当にやりたいことって何なんだろうって考えてみました。そしたら「海の近くに住みたい」とか「同世代の女性たちにお金の作り方を知ってもらいたい」「女性がもっと自由に楽しく生きられる世の中を作りたい」といった思いがあふれてきて……。でも、当時はとにかく仕事に追われる日々で、まったく自分の人生で優先したいことができていなかった。
人生の優先順位に正直に生きるためには独立をして、発信する人になることが必要だなと思ったんです。それからは独立を視野に仕事をして、2016年に独立へ向けた勉強をするためベンチャー企業であるキッズラインへ転職しました。キッズライン勤務時代には海が近い鎌倉に引っ越しもしました。
> ーーなるほど、自分を見つめなおした結果、ベンチャーへ転職し、独立することにしたんですね。カンクンで「やりたいこと」を紙に書き出したんですか? そうです、昔から手帳に書き出すのは好きなので、今でもメモ癖がありますね。自分の夢や思いを書き出すっていう行為は「目的を持つ」ことの表れだと思っています。
夢を書き出している人と書き出していない人とでは、生涯年収が違うというデータもありますよ。その差はおよそ9倍なんだそうです。
投資のセミナーなんかでは、知識をインプットするためにメモをとることはあっても、自分のことを書き出す人は少ないでしょう。自分の知識や目的に合わせた投資を選ぶやり方が失敗の少ない方法だと思いますので、目的がはっきりしない人はまずは書き出してみることをおすすめします。