否定せずに“令和の価値観”も“昭和の価値観”どちらも認め合い、大切な人たちと刺激し合いながら、世代も性別も関係なく登場人物たちが成長していく姿に、勇気や希望がもてる作品でした。
◆8位:西園寺さんは家事をしない
令和の時代の多様な生き方を描いた作品として、夏に放送された『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)も楽しめました。徹底して家事をしない主人公・西園寺一妃(松本若菜)と、年下の訳ありシングルファーザー・楠見俊直(松村北斗/SixTONES)とその娘・ルカ(倉田瑛茉)が“偽家族”として、風変わりな同居生活をはじめる物語。
女優・松本若菜のチャーミングな魅力が炸裂した西園寺さんのキャラが最高でした。仕事ができて、明るくポジティブでコミュ力も高い。「やりたいことをやる、やりたくないことはやらない」主義を貫くも、ズボラ・ルーズなのではなく「やらないための戦略」もしっかり練るという、今っぽい設定のキャラクターでした。
周囲を大切にしながらも、自分の“心沸き立つ”生き方に一生懸命な西園寺さんに、励まされた視聴者は多かったのではないでしょうか。
◆7位:家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
昨年BSで放送されて、今年7月から地上波でも放送された、通称“かぞかぞ”こと『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK総合ほか)も大好き! 作家・岸田奈美氏が自身の家族について綴ったエッセイを原作としたドラマです。
主人公が、急逝した父(錦戸亮)、突然車いすユーザーとなった母(坂井真紀)に、ダウン症の弟(吉田葵)ら家族と、そして自分自身と向き合う日常を描いた作品。家族の死、障がい、そして不治の病を描いた物語ですが、決して悲劇的ではない。人間が抱える面倒くさい感情や、どうしようもない葛藤、そして何よりも愛おしさが、ユーモアを交えて表現されています。