2024年も多くのドラマが放送されました。年間100本近くのドラマをチェックするアラフォー女性の筆者。今回“地上波”で放送された作品のなかから勝手に選んだ“今年よかったドラマ10選”をご紹介します。まずは前編、10位~6位です。

◆10位:君が心をくれたから

『君が心をくれたから』
画像:フジテレビ『君が心をくれたから』公式サイトより
今年を振り返って、一番泣いた作品は『君が心をくれたから』(フジテレビ系)だったと思います。ヒロイン・雨(永野芽郁)が、事故に遭ってしまった大好きな太陽(山田裕貴)のために“心=五感”を差し出すという過酷な設定が物議を醸しました。

週頭の月曜日から救いのない展開に、観るのが苦しくなって離脱した視聴者も多いでしょう。しかし筆者としては、誰もがもっている“奇跡”を丁寧に描いた作品として心に残っています。味覚を失い、嗅覚を失い、触角を失い、最後には視覚も聴覚も失う――それは、当たり前に他者と繋がり、自分がそこに存在する“心”そのものであることを私たちに教えてくれました。

「互いの存在を認め、必要とし、愛し愛されること」という“奇跡”を、永野芽郁と山田裕貴が繊細に表現しています。ふたりの演技に、美しい映像と音楽が重なって生まれたた珠玉のラブストーリーを、ぜひ全話通して観返したい作品です。

◆9位:おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!

「2024ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に、「ふてほど」=『不適切にもほどがある!』(TBS系)が選ばれました。ですが同じく“令和の価値観”に焦点を当てた作品として、さらに強く印象に残ったのが、『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』=通称『おっパン』(東海テレビ・フジテレビ系)です。

東海テレビ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
画像: 東海テレビ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』公式サイトより
“昭和の価値観”に凝り固まったアラフィフ男・沖田誠(原田泰造)が、家族や会社で居場所を失うことに危機感を覚え価値観を“アップデート”していく物語です。主人公を一方的に悪者として描かなかったところも秀逸。20代の娘に10代の息子、そして同い年の妻も、主人公に影響されて“アップデート”していったことも印象的でした。