今年初めの年次株主総会でメタは、この費用について「ザッカーバーグ氏はメタの代名詞であり、会社に対する否定的な感情はザッカーバーグ氏に向けられる」と説明し、カリスマ経営者の安全を維持することの重要性を強調した。
ニューヨーク・ポストは2020~22年の3年間のザッカーバーグ氏の警備費用は4300万ドル(約66億6500万円)にのぼると報じている。警備費用は他社に比べて圧倒的に多い。
2023年の役員警備費の2位以下を見ると、2位はグーグルを傘下に持つアルファベットで677万ドル(約10億5000万円)、3位は日本でも何かと登場する投資ファンドのブラックストーンで457万ドル(約7億900億円)、4位はカジノ最大手のラスベガス・サンズで308万ドル(約4億8000万円)、5位はクラウド大手のオラクルで304万ドル(約4億7000万円)、6位はアマゾンで266万ドル(約4億1000万円)、7位はウイルス対策ソフトのパロ・アルトで166万ドル(約2億5800万円)となっている。金額を見ても米国の企業がいかに役員襲撃を恐れているかがわかる。
しかし、米国務省外交保安局などは、企業を標的にする組織的なテログループは米国にほとんど存在しないとみている。オンラインでの個人の暴言が同じ考えを持つ個人のテロリストに影響を与えことが企業の脅威になるという。
米国企業は「孤独なテロリスト」対策に巨額な出費をしていることになる。
(文=言問通)