では、マイナ保険証を使うメリットは何でしょうか。厚生労働省で案内されているメリットのうち、主な3つを紹介します。
データに基づくよりよい医療が受けられる
マイナ保険証には、これまで受診した医療機関での診療情報が登録されています。
マイナ保険証を使って医療機関を受診する場合、受付時に「過去の医療情報の提供」に同意するかどうかを選択できます。同意すると、これら過去の医療情報を医師などが確認できるようになるため、本人がこれまでの病歴などを細かく伝える必要がなくなります。
例えば、引越しなどで初めての医療機関を受診する際も、過去のかかりつけ医での情報をより正確に伝えられ、よりより医療を受けることが可能になります。
また、40歳以上の場合は検診履歴や結果についても、医師に情報を提供するか選択できます。さらに、マイナ保険証には過去に処方された薬の情報も登録されるため、お薬手帳を持ち歩く必要もありません。
高額療養費の限度額を超える支払いが手続きなしで免除される
1ヶ月間にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分が後から払い戻される制度があります。
従来は限度額適用認定書制度を利用しない場合、いったん自分で支払ったあとに申請をする必要がありました。しかしマイナ保険証を利用すると、医療機関での受付時に「高度医療費制度を利用する」と選択するだけ。一定の金額を超える自己負担額は支払う必要がなく、事後の申請も不要です。
確定申告での医療費控除が領収書なしでラクになる
年間で医療費が一定額を超えた場合に受けられる医療費控除についても、従来は領収書を保管しておく必要がありました。
一方、マイナ保険証では医療費や薬剤費の情報が自動集計され、マイナポータルでいつでも確認できます。そのため、マイナポータルとe-Taxを連携して確定申告を行えば、医療費の領収書を保管しておく必要がなくなります。