美咲さんは、そのうちの1社に登録しました。カラー診断や顔タイプ診断ができるスタッフから勧められたのが、パステルカラーのウエストリボンワンピースでした。美咲さんの普段の服装の好みとはかけ離れていましたが、そのワンピースを着て、勧められたスタジオで写真撮影をします。
◆無料相談の時に見た「これから出会える男性たち」はどこへ
28歳の美咲さんには、たしかに男性からの申し込み(会ってみたいという意思表示)はそこそこありました。しかし、無料相談時にモニターに出てきたような爽やか男性からの申し込みはなく、同じようなネイビースーツを着てメガネをかけた理系男子たちからのアプローチだけです。写真では、男性が全て同じように見えました。東京大学、芝浦工科大学、東京理科大の卒業生が多かったそうです。
ですが一方の美咲さんも男性側から見れば、同じような清楚っぽい服を着た量産型婚活女子の一人なのです。
無料相談時にサクラを見せていたわけではないと思いますが、結婚相談所にいる爽やか男子は、女性からの申し込みが殺到する超人気会員です。でも、入会する前にそんなシビアな事情は共有されません。
◆結婚相談所の倒産件数は過去最多を更新
結婚相談所に登録する方は、筆者の体感では8割以上はマッチングアプリを経ています。マッチングアプリと比較すれば料金は桁違いに高額で、そのため男女とも大卒以上の割合が高く、高学歴で収入も高めの会員が多いです。
なお、マッチングアプリでモテる男性ならば基本的に結婚相談所にはやってきませんし、仮に登録してもすぐに成婚退会して卒業していきます。もちろん例外はいますが、結婚相談所においては基本的にガリ勉タイプが多数派で、多様な独身者が在籍しているわけではないのです。
今年2月、帝国データバンクが発表した内容によると、2023年に発生した結婚相談所の倒産は合計11件で過去最多を更新、休廃業・解散となった件数(11件)も過去最多の水準だそうです。マッチングアプリの台頭で、結婚相談所の倒産が増えています。にもかかわらず副業ブームで結婚相談所を開業する人は増えており、既存の結婚相談所はどんどん集客に苦戦するのです。