この他にも、会話していても視線が合わない、会話のキャッチボールが成立しないといったコミュニケーションに難がある人や、デートのドタキャン、デートの約束を取り付けた後に無言でLINEブロックするといった失礼な人にも何人か遭遇しました。
何年も苦戦した美咲さんには気の毒ですが、筆者に言わせると、これらは全て「マッチングアプリあるある」なのです。
ドタキャンする失礼な人も、もしアプリでなく知り合いの紹介であったなら、自分の信用にかかわるのでドタキャンをしないかもしれません。マッチングサービスでつながる出会いでは、知人からはされたことがないような雑な対応を受ける確率がぐっと高くなるのです。
お互いに、自分の未来のためと思えば損得で相手を見ます。週5で働き、余暇で行う婚活でも、評価し評価されることが続けば消耗していくでしょう。さらに、相手に合わせがちな美咲さんは、向こうが出てきやすい場所でデートをしていたのもあり、ますます疲弊していきました。
◆28歳のうちに、結婚相談所に登録したけれど
怒鳴った男はおかしいけれど、言い分には一理あると思った美咲さんは、結婚相談所の利用を検討しはじめます。事前にネットの記事やSNSで情報収集すると、様々な結婚相談所のブログに「婚活は若い方が有利」「20代で本気の婚活を始めた方がいい」と書いてありました。
美咲さんは4~5つほどの結婚相談所の説明会に参加します。結婚相談所は、アプリのようにWEB上で登録できるわけではありません。入会金も数十万円など高いので、複数の結婚相談所の話を聞いて比較検討して、どこに登録するかを決めるケースが多いです。
結婚相談所の無料相談で、美咲さんは希望する男性の条件を聞かれました。そして、その条件に該当する会員がどれぐらいいるかを、モニターでも見せられます。
どこの結婚相談所も、それまでアプリでがんばってきた美咲さんの婚活を聞いて「今までのやり方が失敗。当社に入会すれば結婚できる」のような趣旨の言葉で入会のクロージングにつなげようとしてしてきたそうです。