米国ではリスが人間を襲うということがしばしば起きる。このため、カリフォルニアジリスの肉食映像は、生物科学としての新発見以上の重みを持つ。

 ルイジアナ州スライデルでは2022年4月、78歳の男性が自宅の外側にいたところ、突然リスに襲われた。リスは屋根から男性めがけて飛び降り、腕などにかみついた。男性はリスを払いよけようとしたが、リスは執拗に攻撃を加えてきて格闘になった。

 通報で警察官が駆けつけた時も、リスと男性の格闘は続いていた。警察官は「リスが男性の腕を食べていた」と報告している。男性は命に別状はなかったものの、重傷を負った。

 リスが人間の肉を食べるというのは極めてまれなケースだが、リスが人間をかむことは頻繁に起きている。地球温暖化など環境の悪化で生息地が荒れれば、追いつめられたリスがどのように変化するかは予想もつかない。

 環境の変化でカリフォルニアジリスがハタネズミを捕食し始めたとすると、条件次第ではリスが人間に牙をむくこともあり得るのではないかとの一抹の不安が、米国市民の頭をよぎる。