編集S 長渕。

新越谷 ああいうところが真空のセンスなんだと思う。静かすぎて隣から長渕が聞こえてくるって、まったく予想してない角度から飛び込んできた。

編集S ウケましたよね。

新越谷 やられたーと思いましたもん。アンジェラのコンサートやってる会場の風景まで見えてきちゃった。

編集S 2本目、大きく変えてきましたね。2本目でやりたかったのかな、あのネタ。

新越谷 好きなんでしょうね。マインドとしては去年の見せ算に近いと思う。2本目は好きなやつをやるという。

編集S がぜん楽しみになりましたよね。このあとに令和ロマンと、爆発したバッテリィズが控えているわけで。

令和ロマン

編集S 真空の2本目とは対照的に、大人数が出てくるネタでした。

新越谷 よく令和ロマンに「ニンがない」みたいな話がありますけど、このへんだってくるまは言ってましたね。「猫の島」とか「ケムリの実家」とか、とにかくくるまの演技力を最大限に活かしてポップな世界観で大人数を暴れ回らせるという。

編集S 「やらない後悔より、やって大成功」もハマった。

新越谷 まあ憎たらしいというか、うまいのを持ってくる。

編集S 初めて見たネタでしたよね?

新越谷 そうですね。これもケムリが「固い」という設定を、体格というか見た目だけで納得させてる。なんだろう、真空にしろ令和ロマンにしろ、見てる側の信頼感なんでしょうね。なんか変だけど、これを飲み込んだらもっとおもしろくなることは約束されているから、疑うのをやめておこうという。で、実際おもしろいわけですし。

編集S 結局、その強引に飲み込ませた「ケムリが固い」がストーリーの中心になってますもんね。

新越谷 ボケのバリエーションもすごい。ケムリの童歌が存在しているという不条理SFもあれば、ジジイが知ったかしてるというシットコム的なボケもあれば、みんな2.5次元みたいなトレンドもとらえてくる。縦横無尽ですよね。それを正確に全部マイムで表現するくるまの実行力があってこその。