編集S あれ、感情的になってます?

新越谷 なってるよ。

編集S ヤーレンズは同等のクオリティじゃない、去年より落ちてるというのが審査員の評価なわけで。

新越谷 じゃあもう知らない! Sのバカ!

真空ジェシカ

編集S 次、真空ジェシカです。令和ロマンと1点差。

新越谷 ネタの面白さ、というピュアな評価軸でいえば、いちばん面白いんじゃないですかね。ピュアな評価軸でいえば、このネタが今年のナンバーワンでしょう。

編集S なんですか、ピュアな評価軸って。聞いたことないけど。

新越谷 ここまで阿部一二三選手が勝手になんか暴走して天才演出家になってたじゃないですか。その演出の令和ロマン、ヤーレンズ、真空という流れはドラマとして最高だったと思うけど、そのドラマ部分を排除したところで、ピュアな評価軸として真空がトップかなと。

編集S 要するに、超おもろかった、ということでいいですか。

新越谷 いいです。今回、すごく見やすかったなと思うのが、「ツッコミでわからせる」と「ボケでわからせる」をかなり明確に差別化してきたなと思うわけですよ。たとえば、商店街の人が「木野まことです」と名乗って、ガクが「セーラージュピターと同じ名前だ」とツッコむくだり。「木野まこと」の時点で、見てるほうがそれがボケだとすら気づいていないわけです。名前ボケという天文学的なパターンがあるボケの種類の中から、男性名でも違和感がない、かつガクがツッコミを入れた時点で明確にイメージできる人名をチョイスしている。イメージで言うけど、これまでの真空の「ツッコミでわからせるボケ」の中でも、飛距離とツッコんだ後の回答の明確さにおいてトップクラスだったと思うんです。自分たちの「ツッコミでボケをわからせる」というスタイルを究極的にデフォルメした形をいきなり提示してきたと感じたんです。

編集S まあ、いいですよ。聞きましょう。

新越谷 かと思えば、「いやらしい話、本当におっぱいが」というボケらしいボケも入れてるし、薬指のFxxKみたいな邪悪さもあるし、真空ジェシカのセルフパロディみたいなネタでありつつ、精度とセンス感はキープしてる。ずっとファイナルに出てて進化し続けてきたし、まだ先にいける感じもある。もはや、優勝して卒業しちゃうなら、ずっと負けて出続けてほしいと思ってしまうくらいの進化だったと思います。