昨日は結さん(橋本環奈)に困り顔ばかりさせて喜んでいるおっさんスタッフの影がチラついて気持ち悪いという話をしましたが、今回はプロポーズと勘違いしてアゲ~♪なハシカンがカメラ目線でサービスカットしてましたね。あの顔させて「はい、オッケー!」とか言ってんでしょ、きついって。

 そういうわけでお話が始まる月曜日には、ほとんど全カットにおかしなところがあったNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』第12週の「働くって何なん?」ですが、火曜日の第57回もなかなかのヤバさでした。

 要するに物語よりもハシカンの顔を撮ることを優先してるんだよな。朝ドラとして、明らかにターゲティングを間違えてるから、こんなグロテスクなドラマが生まれてしまうんだと思うんです。

 私たちがなぜドラマを見るのかといえば、例えば、ドラマの提供する世界観に没頭し、そこに描かれる世界にひととき身を置くことで自らの日常を再確認できるから。例えば、架空の誰かに心を重ねることで内面の孤独を癒せるから。例えば、物語が与えるメッセージに共感し、人生における判断の指針を得られるから。その理由は人それぞれでしょうけれども、視聴者は『おむすび』の作り手が考えているよりずっと真剣にドラマを見ています。

 だから、昨日の結さんがコック長の立川さんに楯突いたシーンだって、共感した人はいたと思うんですよ。勇気をもらった人だっていたと思う。それを「もしかして、米田さんってギャル?」なんてドラマ側の都合にこじつけられたらバカバカしくなっちゃうじゃんね。属性じゃなくて信念の話をしてたんだろって。

 昨日も出社前に「うちは一生ギャルやけん」って言わせたり、仕事前にギャルと撮ったプリクラを見つめたりといったシーンがありましたが、就職して黒髪になったために衣装や髪型でギャルを表現できなくなったために、ギャルに関係ないシーンでも無理やり「ギャルのドラマです」という主張を挟み込む必要があるということなんでしょう。浅ましい限りです。