ABEMAオリジナルドラマとして、視聴回数記録を更新しつづける中、ついに今夜、最終回を迎えることになった『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』。本作で原作・監修を務めた沖田臥竜氏と藤井道人監督との二人三脚で始まったこの挑戦は、俳優やスタッフを巻き込み、多くの視聴者を魅了する物語へと成長した。そして、ネット上に拡大し、変容し続ける情報社会の中での「情報とのあり方」を提示してみせたのだ。「インフォーマ」というタイトルが生まれてから4年、いまだ挑戦のさなかにあるという『インフォーマ』。その誕生秘話と創作にかけた熱意を沖田氏自身が綴る。

『インフォーマ』が生まれた日

 この物語に「インフォーマ」と名付けたとき、まだ世の中の誰も『インフォーマ』の存在を知らなかった。当たり前である。私が名付けたのだ。藤井道人監督との会話の中だけで『インフォーマ』は存在していた。『インフォーマ』がまだ世間に認知されることなく、何者でもない頃の話で、そこから私たちの挑戦は始まった。

 携わってくれたすべての人々が、個々に「インフォーマが話題になったのは自分のお陰だ!」と言ってもらえるような作品ができたと思う。それくらい、みんなが主体的に動いてくれた。俳優部もスタッフも誰ひとりが欠けても『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』は、今の形で世の中に解き放つことができなかった。だからこそ、みんなに自慢してもらいたい。こんなにも視聴者の人たちを毎週、ワクワクドキドキさせることができる物語を作ったことを大声で自慢してもらいたい。みんなの流した汗で、『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』はできあがったのだ。今夜、伝説になろうではないか。

 まだ、家で映像を楽しむ手段がテレビしかなかった時代、私には毎週、楽しみにしていたテレビドラマがあった。今と違い娯楽が乏しい分、余計に1週間が待ち遠しかった。

 翌日は学校でも「昨日観た?」から始まる会話に花が咲いた。そういう物語を作りたいと思っていた。最終回を迎えた際、視聴者が終わることを寂しがってくれるようなドラマを生み出したいと思っていた。