◆トム・ブラウン 「場を荒らす」「賛否両論」枠

――そして、ラスト10組目は6年ぶりの返り咲きとなったトム・ブラウンでした。

©M-1グランプリ事務局
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<いい意味でエキシビジョンマッチみたいな(笑)。場を荒らすために出てくるような人たちなのに、荒らした後に誰も出てこないという現象が起こってしまいました(笑)>

――評価は審査員によってだいぶ分かれました。

<それがトム・ブラウンですからね。M-1には絶対にこの「場を荒らす」「賛否両論」枠は欲しいです。ランジャタイもそうでしたが、地下ライブで沸々(ふつふつ)と煮込まれて突然出現するものなので、今後もきっと絶えず生まれてきちゃうとは思いますよ(笑)>

◆バッテリィズ応援の空気でも圧倒した令和ロマンの勝因とは

©M-1グランプリ事務局
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――最終決戦進出は、真空ジェシカ、令和ロマン、バッテリィズ。審査員の投票結果は令和ロマン5票、バッテリィズ3票、真空ジェシカ1票でした。

<これはもう、見た印象通りの結果でした。会場の空気は審査員も含めてみんなバッテリィズを応援していた人が多かったのではないでしょうか。が、致し方なしだと思います。令和ロマン、圧倒的でした。

くるまさんには俳優のポテンシャルの高さを感じましたね。どれだけの役を演じ分けたのか……。若手のネタ見せであんなネタを持ってこられたら絶対に私は止めますよ。ケムリさんが硬くなるくだりも、理屈がなさすぎるので止めると思います。でも、それらを乗り越えてきてしまう技術の高さ。

大喜利力は真空ジェシカだし、人間力はバッテリィズですけど、立ち回りと表現力が群を抜いていたのが令和ロマン。彼らのストロングポイントが明白になりましたね>

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――結果、令和ロマンが二連覇の偉業を成し遂げました。

<今大会は「順番」と「流れを掴む力」が鍵になっていたと思います。また、新しい審査員たちがすごく良かったと思いますし、松本人志さんのいた位置が中川家・礼二さんだったのも納得でしたね>