――確かにダイタク=上手い、キレイな漫才をするコンビのイメージがあります。
<だからこそ、これまでもM-1では評価されづらかったのかもしれませんね。それでも双子で決勝進出はダイタクが初ですし、双子漫才でトップクラスの凄い奴らという箔(はく)はついたと思いますよ>
◆ジョックロック、ツッコミに型があるスタイルは伸び悩み
――6番手は結成2年で初出場のジョックロックでした。今回のダークホース的存在です。
<面白かったですね。東京ホテイソンや霜降り明星のような、ツッコミに型があるシステム漫才。でも、そのスタイルで今回の審査員の得点を伸ばすのはどうしても難しかったと思いますよ>
――確かに中川家の礼二さん、ナイツの塙さんの点数は伸び悩みましたね。
<あの二人はたぶん、システムや型にあまり興味がないのではないでしょうか。ネタのアイデアは本当に良いと思うんですけど、審査員はさらに奥のところを見ている気がするので。おそらく福本さんのツッコミがなくても笑えることが、高くなかった評価の大前提になってるんです。
でも、平場でのボケのゆうじろーさんの「面白くなります!」は素敵でしたね。見た目のとがった雰囲気とは違う、彼の人間性が出せたことは大きかったのではないかと思います>
◆バッテリィズ大爆発 中川家礼二が高評価のワケ
――そして7番手に登場したバッテリィズ。ここで序盤以来の大爆発が起きました。
<これは完全にカウンターでしたね。ジョックロックとは逆の、型じゃなくて中身のネタ。お笑いってこうだよね、みたいな。
順番的にも、そろそろお腹が空いてきたところに良いタイミングでガツンと来た感じ。これは審査員にも効いたと思います>
―――突如現れたマンガの主人公みたいでしたよね。
<エースさんって、たぶんボケてないんですよ。きっと彼は本当にそう思っているという、漫才の真髄(しんずい)。特に礼二さんは高く評価してました。礼二さんは、漫才において会話の自然さや、立ち話の延長を最も大事にしている人という印象があります。