本当は近づかないことが一番良いのですが、最悪の事態をシミュレーションしておくことが大切です」
◆漫画でも描かれ話題になった「アリ地獄の溜め池からの脱出方法」
――漫画の中では、アリ地獄の溜め池からの脱出方法がかなり詳細に描かれていました。
大塚「セメントなどで舗装された池や川は、一度入ってしまうと脱出が困難な場合があります。本当は近づかないのが一番良いんですけどね。万が一そういう池にはまってしまった場合、脱出方法があります。脱出方法を知っておくことで、冷静に頭を切り替えることができます。パニックになってやみくもに沼から出ようとするのではなく、まずは階段や梯子(はしご)など、出る場所を探すことが大切です。
漫画を一度読んでいただければ、『ちょっと待てよ』と冷静に梯子を探すことができます。実際のシチュエーションだと、梯子や階段を探すのは難しいかもしれませんし、見つけてもそこまで辿りつくのに勇気もいりますよね。でも、確実に出られる場所がどこかにあると知っているだけでも助かる確率は上がりますし、冷静な判断もできると思うんです。危険な箇所を事前に察知することもできます。
そういう意味でも、この漫画に一度目を通してほしいなと思います。知っていれば助かる事例の一つだと思います」
◆同調圧力で危ない遊びをしていない? 注意してもダメなら……
――事前に梯子の位置を確認しておくだけでも、いざという時にパニックになりにくいですね。
大塚「『だれかが溺れたら救助隊を呼ぼう』など、事前に仲間内で確認できればいいですね。実際に助けられませんから。もしその発言を聞いて、『お前、空気悪くするなよ』とか言われたら、そんなグループからは離れたほうがいいですね。
そういうグループは、今後も危険なことをする傾向があるからです。危険だと思った子は自然と離れていくはずです。これも危機回避の一つです。なにか事故を起こすと、『あのグループ、危ないことしてたもんな』となることが多いのです。だから、少し注意してダメだったら、離れるしかないと思います。漫画の主人公じゃないですけど、危険な行動で死亡フラグが立っている状況です」