「中卒だし、実務経験もない」

 立花さんの口座に生活保護費として振り込まれるのは月10万円弱、バイト代を含めても収入は月11万円ちょっとだ。

「そこから家賃5万3000円と携帯代を払うとカツカツです。なるべく早く生活保護を抜けたいので、昼職も探しているんです。ただ私は中卒だし、実務経験もない。少し前に区のパソコンスクールに行っていたけど、周りは老人ばかりで実践的じゃなくて。だからといって有料の講座を受けるお金の余裕もないですからね……」  

ため息交じりに立花さんは語る。

「店から自宅まで20㎞を歩いて帰りました」

生活保護を受ける56歳女性の、あとがない危ない状況とは<コロナ貧困3>
(画像=『女子SPA!』より引用)

生活保護費が月10万円を下回る。生きるのに必死で、人生の立て直しは難しい

 取材を進めると実は最近、風俗に復帰していたことがわかった。申告していないので、いわゆる“不正受給”である。

「そういっても今週はお茶引き(指名がなく無収入のこと)で収入はゼロ。コロナ前よりも格段に稼げなくなっていることを実感しました。3日前は電車代すらなくなって店から自宅まで20㎞を歩いて帰りましたよ。ここ数か月は80歳の爺さんを裏引き(店を通さずに客と会うこと)しているけど、これもいつまで続くか……」  

そう語る立花さんは、特に悪びれる様子もない。学歴もキャリアもなく、年齢を重ねるほど風俗業では指名も収入も減る――立花さんの困窮は続く。