◆会う前にDMで好意を告白

 Xのアカウントを開設した初期の頃から「質問箱」を使っていたという美佳さんですが、Xで自身の恋愛・結婚観をつぶやけば「同年代は育児で追われているのに、未だに恋愛だ何だ言っていて幼いと思いませんか」など辛辣な質問が複数届き、世間の年齢に対する画一的な見方に疑問を感じていたといいます。

 それでも質問を無下にせず、真摯に対応し続けていました。そんな彼女の姿を目に留めていたのが、気象情報をつぶやくためにXを活用していた友貴さんだったのです。

友貴:Xは実は、人の本質が見えやすいツールだと思っています。どんなに繕っていたとしても、よく読んでみると、その人の人柄や考え方を感じ取れます。(美佳さんのポストは)人を傷つけないよう、多方面に気を遣って言葉を選んでいた。優しい人だというのはつぶやきを見ている段階でわかっていました。

 Xを通じて、美佳さんがアナウンサー兼弁護士として、著作権法などの知的財産権分野に詳しいことも知っていたという友貴さん。すでに司法試験に合格していた2022年夏、「自分も特許など知的財産権に興味があるので弁護士の先輩として話を聞かせてほしい」とXからDM(ダイレクトメッセージ)を送り、美佳さんもこれを承諾。

 当時、美佳さんは東京、友貴さんは神戸に住んでいたためにすぐには会えず、数か月間はDMを通じてやり取りをすることになりました。Xから美佳さんの恋愛観や結婚観を把握しており、「今お付き合いしている人がいないのであれば、直接アピールしてしまおう」と考え、やり取りの中で、「女性としても素敵だと思っています」と、好意を先に打ち明けていました。驚きこそしたものの、美佳さんの側も決して悪い気持ちを抱くことはありませんでした。

美佳:法曹界は、先輩と後輩の繋がりが密接な風土です。Xを通じて後輩から話を聞きたいと連絡が来ることは、以前からも複数あったので、DM自体は特に不自然には感じませんでした。いわゆる婚活市場で感じたものとは違って、彼は私個人の人柄を唯一無二のものとして見てくれているのが伝わって嬉しかったのを覚えています。