しかし、これで一件落着では済まされないだろう。9,000万円もの示談金を支払ったということは、中居が行った行為がそれほどまでにひどいものだったということだ。
加えてそれが公になれば、中居の芸能活動に大きな支障が出ることが想定されたからこそ、巨額の示談金に合意したとも考えられる。双方で示談したといっても、中居正広という存在の社会的影響、さらにハラスメントに対する社会情勢を鑑みても、これで一件落着では済まないことは当然だろう。
さらに深刻なのは、フジテレビの動向だ。フジは25年3月いっぱいで『だれかtoなかい』の番組終了を発表しているが、その理由は中居とともにMCを務めていた松本人志の性加害スキャンダルと、その後の視聴率低迷だけではなく、今回の中居スキャンダルも関係する“打ち切り”だというのだ。記事にはそんな下りも。
「関係者の間ではかん口令が敷かれたが、事態は日を追うごとに深刻さを増し、局内の一部幹部からは『これ以上番組を続けるべきではない』という声も上がっていたという」
当事者A氏が所属するフジテレビは、A氏が関係する中居スキャンダルの詳細情報を収集し、調査・把握できる立場にある。そのフジがいち早く番組打ち切りを決定し、逃げ出した――。そう考えると、さらに“中居女性スキャンダル”の事態は深刻なのだろう。
そして思い出されるのは、筆者が所属していた月刊「噂の真相」(04年休刊)が報じた中居の妊娠中絶スキャンダルだ。そのスキャンダルとは、中居が当時肉体関係をもっていた女性が「子どもを妊娠・中絶した」と告発、同誌2000年12月号に「国民的アイドルSMAPリーダー中居正広を襲った妊娠中絶劇の顛末独占衝撃告白」というタイトルでスクープ掲載されたもの。
女性の告白によると、断続的に中居と肉体関係を持つ関係だった女性が妊娠し、それを中居に報告したところ、「もし産んだら事務所に切られてしまう」と出産を拒否され、結果中絶させられたという衝撃的なものだった。さらに「噂の真相」は翌月号でも中居スキャンダル続報で追撃、女性は中絶した後に中居の不実な対応をなじる電話をしているのだが、その録音を公表し、音声をウェブでも公開したのだ。