Sさんは、そのスタッフをきれいに二度見。そのまましばらくは唖然としていましたが、コホンッ……と小さく咳払いをし、「……ぁあ……っつ……、もう、いいわ……」と言うと席を立ち、レジでお金を支払って帰っていきました。

「この一件でSさんは店に来なくなり、いまは平穏な日々が続いています。また、Sさんに関西弁で迫ったスタッフは、女優を目指して頑張っていたが今後どうするか悩んでいたらしく、今回の件で自分の演技に自信がついたそうです」

 春奈さんは「今回は丸く収まってよかった」と言いつつ、「口調や態度が悪く恫喝まがいの人や因縁をつけて謝罪を求めてくるような人もいます」とも続けます。サービス業界で働く人たちが笑顔で気持ちよく働けるよう、私たちも自分の言動に気をつけたいものですね。

<文/山内良子 イラスト/ただりえこ>

【山内良子】

フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。