「蒸し」とは蒸すことであり、素材そのものの旨みを最大限に引き出す伝統技法。京都の旬野菜を丁寧に蒸し上げ、その柔らかさと深い味わいに現代の感性を添えている。
「包み」とは季節と自然の恵みを包み込む技だ。京都産の「京丹波高原豚」や四季折々の旬野菜を小麦の皮で包み、日本の自然と文化を一つの料理で調和させている。
「炙り」による香ばしい香りは、食欲を刺激する最初の一歩。京都産の黒毛和牛を炙って表面に旨みと香りを閉じ込めることで、麺やスープと絶妙なハーモニーを奏でるという。
そして国産小麦を使い、その日の気候に合わせて打ち立てた麺は香り高く、もっちりとした食感。旨味豊かな出汁と出会うことで真価を発揮する。
ちなみに、猪一オリジナルの「麺器」は、色や形の普遍性をテーマにした京都発の器ブランド「DONOMA焼き」で作られたもの。
釉薬の原材料は自然から取れるものを一から独自に調合しており、どの風景や料理にも自然に溶け込むシンプルで柔らかいデザインだ。触れた手と器の境目がなく、手によく馴染んで料理を引き立てるという。
五感で楽しむ新しい食体験
新店の「MENYA INOICHI #3」と既存2店ではそれぞれメニューが異なるところも、「麺屋 猪一」ならではの特徴だ。
「麺屋 猪一」を象徴する魚介系100%の出汁スープは、豚や鶏などの動物系脂を一切使用せず、厳選した最高級の節を数種類ブレンドし、低温でじっくりと旨味を抽出。そのスープをベースに京都地産の旬な食材を調和させた“旨味と香り、そして季節を感じる”出汁そばをはじめとして、さまざまな「MENYA INOICHI #3」のメニューが味わえる。
主なメニューは以下の通り。
「白出汁そば」は小麦の甘みが特徴の白醤油で、京都丹波高原豚の肩ロースちゃーしゅーと旬の蒸し野菜、だしお揚げ、きくらげ入り。
一方の「黒出汁そば」はコクと旨味を再仕込みした黒醤油で、各1,400円(税込)だ。