加えて、彼にとって極めて親しい関係にある意外な人物もサブライズ登場するのだが、ミステリードラマ内の設定では、「津田のことを全く知らない」キャラクターであるなど、巧みなワザを効かせているのも笑いを誘う。

今回は「名探偵津田」として回を重ねたことで、前作での印象的な登場人物と縁のある人が出演するなど、過去作が“フリ”になっており、シリーズものとしての醍醐味を感じさせるものであったといえるだろう。

(画像:『水曜日のダウンタウン』TVer配信ページより)
(画像:『水曜日のダウンタウン』TVer配信ページより)
ただ、惜しむらくは、初回から見るとパワーダウンした印象もあった。第1弾・第2弾は演者や設定に荒削りなところがあり、それがおもしろさを増していた。特に、第2弾では犯人役も含め、俳優の演技がグダグダになるおもしろさがあった。

今回の第3弾ではサクサクとストーリーが進み、ミステリードラマとしての完成度は上がっているように思える。だが、もっと、津田の混乱する姿を楽しむには、荒い作りのほうがおもしろいのではないかと。

なんにせよ、今回も大きな反響を生み出した「名探偵津田」。松本人志の活動休止後、初の同シリーズとなった第3弾は松本の不在を一切感じさせることなく、新たな番組の視聴者の獲得にも成功しただろう。第4弾が制作され、もっともっとおもしろい津田の姿が見られることに期待したい。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】

某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆