それに、思いがけないことが起きた時のリアクションはピカイチだ。津田は、自分の立ち位置がわからないので第三者的な視点の場合が多く、視聴者と同じ目線で驚いてくれる。リアクションのタイミングや動作も完璧で、物語にドライブ感を生み出されている。

また、第2弾・第3弾では芸人のみなみかわも巻き込まれるのだが、ダブルツッコミとしてドラマのおもしろさが倍増。みなみかわが登場することで津田は自由に動けるようになり、時には設定に乗ってボケに回ることも。

お笑い要素を2人が足していくことで、「名探偵津田」は極上のエンタテイメント作品に仕上がる。正直、ここまで3話が制作されているが、ミステリードラマとして設定や謎解きが秀逸だとは言えない。なのに、津田(場面によってはみなみかわ)が主人公になることで、退屈なストーリーも続きが気になってしまう。そこに、「名探偵津田」の魅力がつまっているように思える。

◆今回はスケールアップ、ただ荒削りのほうがおもしろいかも

さて、今回の第3弾は「有名人の卒業アルバム、その地元に行けば意外とすんなり手に入る説」のVTR終わりでトークする『水曜日のダウンタウン』のスタジオで殺人事件が発生し、現場に居合わせた名探偵津田が事件解決に立ち上がるという流れだ。

まず言えることは、序盤は通常回、そして本編は2時間スペシャルと、週をまたいでの放送で尺が長くなったこともあり、物語のスケールが大きくなった。いつもの水ダウだと思って上記の説を見ていたら、実はミステリードラマの前フリだったという壮大さが楽しめる構造といえるだろう。

また、今回は現実とミステリードラマの世界をクロスオーバーさせる演出が増えていた。

前述のように、津田(場合によってはみなみかわも)だけが現実と虚構の世界線を行き来するのだが、これまでの回での架空のロケ番組や、地方の村人たちといった設定とは異なり、今回は殺人事件が水ダウという実在の番組で起き、津田と先輩関係にあるダウンタウン浜田から犯人探しを依頼された。そのため、ミステリードラマのフィクション世界の住人としての自分と、現実世界の自分がゴチャゴチャになり、2つの世界線のはざまで混乱し、戸惑う津田が面白い。