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ディズニーの名作『ライオン・キング』の前日譚となる『ライオン・キング:ムファサ』が12月20日(金)より日本公開となる。今作は『ライオン・キング』が生んだレガシーを利用するのではなく、人気キャラクターの過去を効果的に補完する見事な前日譚だ。
『ライオン・キング:ムファサ』概要
息子シンバを命がけで守った父ムファサ王。孤児であった彼の運命を変えたのは、ムファサの命を奪った“ヴィラン”スカー(タカ)との幼き日の出会いだった…。血のつながりを越えて兄弟の絆でむすばれたムファサとタカは、冷酷な敵ライオンから群れを守るため、新天地を目指す旅に出る。
「ずっと“兄弟”でいたかった」…ムファサを偉大な王にした兄弟の絆に隠された、驚くべき“秘密”とは?心ゆさぶる楽曲にのせて、超実写版で描くキング・オブ・エンターテイメント!本当の“ライオン・キング”は、ムファサで完成する。
レビュー本文
ドラマチックでハイクオリティな前日譚
『ライオン・キング:ムファサ』は、前作『ライオン・キング』(2019年)に引き続き“超実写”を謳う、あまりにハイクオリティなCG映像が圧倒的な没入感を与えてくれるだけでなく、今回は完全オリジナルとなる物語がストレートに深く心に刺さり、秀逸な前日譚として見事に仕上がっている。
予告編でも「ずっと弟がほしかったんだ」と楽しそうに告げていた姿が印象的なタカ。後の“スカー”であるタカと、ムファサの兄弟仲はなぜこじれたのか。そして“よそ者”だったムファサはいかにしてプライドランドの王になったのか。今作が描く物語はムファサにもタカにも、そしてムファサの後のパートナーであるサラビにもそれぞれ共感できる、非常にドラマチックなものだ。
ムファサの“王らしくない”部分も、“王の素質”といえる部分も描きながらムファサの成長を綴り、その物語をムファサの孫、シンバの娘であるキアラが目を輝かせて聞いている。その構図は“継承”を描く「ライオン・キング」シリーズらしいし、『ライオン・キング2』のファンとしてもキアラ(アニメ版でも“超実写”版でも1作目では名前に触れられていない)の大々的な登場は嬉しいところだ。