◆後日調べてみると……
東京育ちの美穂さんにとって、初めての帰省での発熱と慣れない義父母の方言はただただ、“恐怖”だったと言います。
「結局、帰省最終日にようやく熱が下がり、東京に帰ることになりました。義父母には迷惑を掛けてしまって申し訳なかったです」
東京に帰り、元気になった美穂さんは名古屋の方言について調べたそうです。
「『ちんちん』や『ちんちこちん』って、名古屋では『熱い』とか『すごく熱い』という意味の方言だったんです。それに名古屋弁は優しく喋っても、少し怒っているように強く聞こえるみたい。
自分が育った環境と夫の家族が違い過ぎて戸惑うことも多いですが、年に2回の帰省を続けていきながら、少しずつ名古屋弁にも慣れていきたいです」
義娘である美穂さんを気遣い、支度や看病してくれる心優しい義父母。美穂さんが名古屋弁に慣れ、義父母と打ち解けるのも時間の問題でしょう。
<取材・文/maki イラスト/ただりえこ>