スマホで情報を集めている際に犯罪系の漫画の広告等が出てくると、大人である私も眉をひそめたくなるような表現があったりしますが。
もちろんそれぞれのご家庭の方針がありますが、YouTubeは安全だけどテレビは有害だというのは、こういう点からも当てはまらないのでは? と感じたり。
もちろん、私はもともとテレビ局員でしたから、かなり贔屓目にみる部分もあることは確かですが、ただ、一つ言えるのは、私は子どもの頃から家族と一緒にテレビを観ていた時間があったからこそ、今の自分の職業選択にもつながっている現実が確かにあるということ。
◆「オールドメディア」を良い意味で捉える
TBS系『世界ふしぎ発見!』を流して家族でああだこうだ話す時間が大好きでした。吉村作治先生、よかったなあ。この番組の影響で、私は日本美術史という分野を大学大学院で勉強し、そして今でもそれがずっと私の核となっています。
自分が知る由もなかったさまざまな世界を教養として与えてくれたのがテレビだと今でも感じますし、その本質は現在も変わらないと私は考えています。
最近のテレビは食べ物ばかり? 衝撃映像の垂れ流しばかり? チャンネルを回していけば(またまた古い表現)雪の小樽をそぞろ歩きする旅番組に心癒されることだってあるはず。
オールドメディア? 私は良い意味で捉えております。
なぜなら私は歴史あるものに価値を見出す人間だから。いろんなご意見が出そうな今回のコラムですが、私は個人的にテレビやラジオが大好きで、そして新聞を毎日読みたい人間です。
さて、皆さんの「今年の漢字」は?
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中