■家庭基礎・家庭総合の各科目の目標

・生涯の生活設計
 旧指導要領では、「各ライフステージの特徴と課題について理解させる」となっているところ、新指導要領では、「様々な生き方があることを理解するとともに、…(中略)…必要な情報の収集・整理を行い、生涯を見通して、生活課題につい対応し意思決定をしていくことの重要性について理解を深めること」と変更されています。
 

・生活における経済の計画
 旧指導要領では、消費者としての適切な意思決定や生涯を見通した生活設計について考えられるようになることを目標としています。
新しい指導要領では、家計の社会経済とのかかわりを理解することや、生涯を見通した生活設計をライフステージや社会保障制度などと関連付けて考えることを目標としています。

 

いずれも、生活環境や経済社会環境の変化への対応力を主眼としたものに変更されています。

 

 

「高校生のための金融リテラシー講座」に見る高校の金融教育

 

「高校生のための金融リテラシー講座」とは、金融庁が高校生のために作成し、文部科学省を通じて推奨している金融教育の教材です。
この講座の学習項目から、収入や支出の管理や貯蓄にとどまらず、金融商品を活用した資産形成や借り入れについても学んでいることがわかります。
なお、「金融リテラシー」とは、金融に関する知識や判断力のことです。

高校生のための金融リテラシー講座

 

 

家庭での金融教育は何をすればいいの?

 

家庭科の授業数は、衣食住や子育てなど他の分野も含め週2回で年間70時間が標準であり、金融教育に充てられる授業時間数は限られています。
そのため、家庭や地域とも連携した多面的な取り組みが必要です。家庭は、まさに金融教育実践の場であり、日頃から知識や経験を積み重ねていくことが大切です。
 
高校の教員を対象に2023年に実施されたアンケートでは、高校入学前までに特に学習しておきたい知識・技能として、「お金の大切さや計画的な金銭管理」がトップにあげられています。
家庭でできる金融教育の代表的なものとして、お小遣いを管理して計画的に使うこと、家事の手伝いを通して働くことの体験などが考えられます。