●随時改定
基本給などの固定的賃金が変動し、かつ変動月からの3ヵ月間の報酬の平均がそれまでと比較して2等級以上変動する場合には年度の途中であっても、「標準報酬月額」の改定が行われます。
実際に社会保険料が上がるのはいつから?
実際に給与から控除される金額が変わるタイミングは「定時決定」と「随時改定」で異なります。「定時決定」の場合、お勤め先では、4月から6月までに支払われた報酬をもとに「算定基礎届」を提出することで、9月分から翌年8月分までの保険料が決定されます。
お勤め先の給与の締め日と支給日にもよりますが、当月締・翌月払の場合には、10月に支給される9月分の給与から新しい社会保険料で差し引かれることになります。
一方で、「随時改定」の場合、昇給後の報酬が支給された月から起算して4ヵ月目から保険料が変わります。
昇給した4月分の給与の支払いが5月となる当月締・翌月払であれば、9月に支給される8月分の給与から新しい保険料が適用になります。
なお、4月に昇給して「定時決定」と「随時改定」両方に該当する場合は、「随時改定」が優先されます。
お勤め先の給与規程によって、「当月締・翌月払」のほか、「当月締・当月払」や締め日を月半ばとする場合、残業代のみ翌月払いなどさまざまです。
そのため、実際に差し引かれるタイミングは異なります。
社会保険料が上がらないように対策すべき?
「社会保険料が上がらないよう3月、4月、5月は残業を控えたほうがよい」と言われることがあります。
お勤め先の給与規程で残業代をふくめた報酬が「当月締・翌月払」である場合、定時決定に反映される4月から6月に支給される報酬に影響するため、残業を控えれば標準報酬月額を抑えられます。
そういった意味で、この発想が間違っているわけではありませんが、残業を控えることのデメリットも考えたいところです。
本来、残業は業務上の必要に応じて行うものです。
社会保険料を抑えるための無理な調整は、業務への支障や職場での評価に影響するため避けるべきでしょう。