少子化には、これまでの社会構造や人々の意識に根差した要因がかかわっているとされています。
そのため、政府は、夫婦が互いに協力して子育てし、それを職場が応援し地域社全体で支援する社会づくりが必要だとしており、具体策のひとつとして、男性の育児休業取得率目標の大幅引き上げを掲げています。
2022年の男性育休取得率17.13%(※)に対し、2025年には公務員85%(1週間以上の取得率)、民間50%、2030年には公務員85%(2週間以上の取得率)、民間85%を目標としています。

 

この目標を達成するための給与面での支援として期待されているのが、これまでの育児休業給付金の上乗せとなる「出生後休業支援給付」です。
あわせて、中小企業に対しては、育児休業を支える体制整備をおこなった場合の助成措置なども強化されます。

(※)厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」における男性育休取得率

 

「出生後休業支援給付」制度はどのようなしくみなの?

 

「出生後休業支援給付」は、2025年4月から開始される制度です。
子どもが生まれた直後の一定期間内に夫婦がそれぞれ14日以上の育児休業を取得する場合に、28日間を限度に賃金の13%相当額を支給するというもので、現行の育児休業給付の給付率67%とあわせると、全体として80%の給付率となります。
一定期間内とは、男性は出生後8週間以内、女性は産後休業後の8週間以内です。

 

この制度は、いわゆる「産後パパ育休」を念頭にしているため、産後パパ育休と同様に、子の出生後8週間以内に28日間までの取得を給付の対象としています。
一方、産後パパ育休には取得日数の下限はありませんが、出生後休業支援給付では14日以上の取得が条件となっています。
これは、一定期間以上の男性の育児休業取得の推進とともに、育児休業中の社会保険料免除が、同一月内14日以上の取得かつ月末が育休期間中という条件が付されていることが考慮されたものと推察されます。