日曜の夜は、SNS上で激しく考察バトルが繰り広げられています。日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)は第8話を迎え、大いに盛り上がっています。第7話の世帯視聴率も8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とちょっぴり持ち直してきました。今夜からは最終章に突入。かつては理想のコミュニティーとしてキラキラ輝いていた「軍艦島」は閉山へと向かい、登場キャラクターたちはバラバラになっていくことになりそうです。
先週放送の第7話「消えない火」は、ディザスター映画のような緊迫感があふれる54分間でした。1964年8月17日、不気味なサイレンが島に鳴り響き渡ります。炭鉱内に充満していたガスに火がつき、大火災が発生したのです。
前年の福岡県三池炭鉱では、炭鉱内事故で450名もの死者が出ています。島で暮らす鉄平(神木隆之介)たちは気が気ではありません。食堂で働く朝子(杉咲花)や幼なじみの百合子(土屋太鳳)はおにぎりや冷たい味噌汁を用意して、鉱員たちを励まします。
鉄平の兄・進平(斎藤工)らが坑内に潜り、懸命に消火活動にあたるものの、ガスの勢いは止まりそうにありません。炭鉱長の辰雄(沢村一樹)は断腸の思いで、坑内に海水を引き込むことでの消火を決断するのでした。
炭鉱を放棄することは、炭鉱町としての「閉山」を意味します。みんな、島で暮らすことができなくなります。排水ポンプの停止ボタンを押す役割を負った鉄平のつらさは、計り知れないものがあります。
あまりにも恐ろしすぎるタイトル回収
悲劇はそれだけでは済みませんでした。進平はリナ(池田エライザ)との間に子どもが生まれ、幸せいっぱいの日々を過ごしていました。軍艦島が閉山すれば、過去にワケありなリナは暮らす場所がなくなります。炭鉱を守ろうと最後まで消火活動をしていた進平は、ガス中毒で倒れてしまいます。
波に飲まれて行方不明になった前妻の幻覚を見る進平が不憫でした。かねてから死亡フラグが立っていた進平ですが、まさか進平そのものが「海に眠るダイヤモンド」になってしまうとは……。なんとも恐ろしいタイトル回収です。