――あくまで推測でしかないうわさとはいえ、とんでもない発想ですね。
堀江 皇室への愛をこじらせると、とてつもない変質者になってしまうという一例です。しかし三島にしても、ご成婚パレードの馬車に大きな石を投げつけた暴漢にせよ、皇室への「思い」はほぼ完全に一方通行になりがちですから、独特の熟成を遂げてしまいがちかもしれません。
逆にいうと、そうした日本人全体から、ともすれば1人よがりな感情を浴びせられながらも輝きをまったく失わず、90歳の節目を迎えられた上皇ご夫妻については、驚嘆する以外ありません。令和のお代替わり以降、上皇ご夫妻のお姿をわれわれが目にする機会は減りましたが、今後ともに「生きる伝説」として、お元気でありつづけていただきたいものです。