親会社の神戸物産の2023年10月期連結業績は、売上高4615億円 (前期比13.5%増)、営業利益307億円(同10.4%増)といずれも過去最高を更新。「ダイヤモンドチェーンストアオンライン」(24年1月26日付の記事)によれば、23年10月から1年で業務スーパーの店舗数を35店舗増やし、1083店舗になる見通しだという。
業務スーパーと並んで店舗数を拡大しているディスカウントスーパー「ロピア」でも、不適切な食品表示のまま合計64万パックを販売していたことが報じられているが、「小売の中でも一番勢いのあるロピアと業務スーパーは、成長(拡大)の速度が早過ぎて、一番大切な商品管理が追いついていない」と指摘する。
業務スーパーから再発防止策も公表されていない
また、消費者への情報告知の面も問題があるという。商品回収・返金方法のお知らせは同社公式サイトで発信しているが、これも「安易」なようだ。
「フランチャイズ店が多いため難しいかも知れないが、折込チラシ等で情報を緊急発信するべきでは。安易に店内やホームページで告知→回収→返金を繰り返していては危機感がなさすぎると言わざるを得ない。そもそも、もし大きな健康被害が発生した場合、どのような対応をするのか? 現時点で『再発防止策』も公表されていません。何か事故があったとき、再発防止策が機能していないことが露呈し、大問題になるのは明らかです」
食品は健康に直結する。小林製薬の紅麹サプリの事件が教えてくれたのは、その当然の事実だ。業務スーパーの「冷凍アスパラガス(ホール)」は、その紅麹サプリと同じ「回収命令」品にあたる。それが昨年の回収に続いて今年も再び回収命令となり、もはや年中行事化している同社の問題は根深いといえるだろう。
最後に小林氏に消費者ができることを聞いた。
「店のファンは『この店で売っているんだから大丈夫!』と信じて、買物カゴに入れていますが、安い商品にはそれなりの理由もある。日本で認められていない成分の混入などです。しかし、表示への意識を高めれば、違反をゼロにすることはできなくても、食の安全に対する会社の意識はレベル格段に上がるはずです」