物語の余韻として残したっていい場所に、このドラマは最終回で踏み込んでいくようです。障害者を家族に持ち、その面倒を見ることに人生を費やしてきた人間が、自由を手に入れるとはどういうことなのか。にわかにそれを考えなくてよくなったとき、何をしようとするのか。

 そのことを描くために、天涯孤独ゆえに闇に落ちた祥吾という男と対峙させる必要があったということなのでしょう。

 最終回でヒロトが何を語るのか、まったく想像できません。しかし、そこにひとつの「回答」があることだけは明らかです。そして、その回答を導くために、あのまどろっこしいサスペンスがあったことだけは間違いありません。

 良くも悪くも、このドラマはカラーに統一感がありません。ホームコメディとハードサスペンスを並行で語ってきたために、どこまでも不穏な空気が漂っている。

 そのことが「最終回、どうなるかわからん!」という期待感に寄与してくるわけですから、ドラマというのは不思議なものですね。楽しみに待ちましょう。

(文=どらまっ子AKIちゃん)