黙って聞いていたミワですが、ふと悪女の顔で面を上げると、リサを見据えます。

「嫉妬ですか?」

 完全なる女マウント。一方的に責めつけてやるつもりで来たリサは狼狽し、その悪い顔の女にグラスの水をぶっかけて去っていくのでした。

 この一連で覚悟を決めたミワさん、本格的に就職活動を始め、役所に行ってひとり親に下りる補助金について調べたりと離婚の準備に取り掛かりました。

 一方、馴染みの喫茶店で冬月と向かい合うヒロキ。煮え切らない冬月の態度に業を煮やして胸倉をつかみ上げますが、どうやら冬月は栞ちゃんが自分の子どもだと知らないことに気づき、気持ちのやり場を失ってしまいます。それでも、自分の愛する妻を寝取った男を助けてやる義理はありません。私怨を仕事に持ち込み、冬月の経営する会社への資金提供を打ち切り、息の根を止めてやることにしました。

 そして最後に、ヒロキはミワからもう一度話を聞くことにします。海の見えるベンチにミワを誘い、すべてを話してほしいと告げるヒロキ。そんなヒロキに、ミワは冬月との情事について、冬月がアフリカで死んだと思い、托卵を決意したこと、それにヒロキがつけてくれた「栞」という名前には、反対すればよかった、あの母子手帳に挟まっていた栞は、冬月との思い出なのだと打ち明けました。

 そして、本当にヒロキと栞と、3人でやり直そうと思っていたことも。

 冬月は栞が自分の子であることに思い至りますが、身を引くことにしました。マコトの店で、自分に栞を抱かせようとしなかったミワ、「夫婦の問題だ」と自分をはねつけたミワの姿が浮かびます。

 離婚協議が進む中、大人だったのはヒロキでした。部下に仕事を引き継ぐことで冬月の会社への融資を決め、栞とは二度と会わない決意をします。

「最後にもう一度、3人で会いたい」

 弁護士を通じてそうミワに伝えたヒロキでしたが、待ち合わせ場所で待っているミワの前に現れたのは、ヒロキに呼び出された冬月でした。