◆性的同意は、ふだんの生活と地続き
みたらし加奈:性的同意はセックスのときだけのものと思われがちですが、実は日常生活と地続きなのです。たとえば友達とランチに行くときに、「本当はパスタを食べたくないけれど、相手が食べたいと言ったから、とりあえず合わせてみた」、こういう積み重ねでNOと言いづらくなっていくのです。
性教育は、セックスのことだけを教えるというよりは、日頃からその子にとっての快、不快が尊重されることが大事だと教えてあげることや、NOと言いやすい環境を作ってあげることでもあります。
だから、たとえば子どもに恋人ができてその話を自分にしてくれたときに、「相手に対して、嫌なことは嫌って言ってもいいんだよ」「少しでも相手にモヤモヤしたり、言いにくいことがあったら、いつでも私に相談してきていいんだからね」と伝える。こういう関わりも性教育なのです。
◆NOと言われても不機嫌にならない大人でいること
犬山:保護者が学びつつ、その姿を見せることの重要性を感じます。パートナー同士でまずはNOと言い合えるようになる、そしてNOと言われても機嫌を悪くしない、尊重し合う姿を見せる。
「NOって言うけどあなたのことが嫌いって意味じゃないよ」「NOって言っていいんだよ。それで不機嫌にならないし、あなたの意見を尊重するし、NOって言われたから嫌いになったりしないからね」って語りかける。
保護者ができることがたくさんあります。
<文・イラスト/犬山紙子>
【犬山紙子】
1981年生まれ。エッセイスト、コメンテーター等としてTV出演も多数。著書に『私、子ども欲しいかもしれない。』『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』など。2014年に劔樹人さん(ベーシスト、漫画家)と結婚。長女の誕生を期に、2018年、児童虐待防止チーム #こどものいのちはこどものもの を発足。近著に『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』
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