まだ明らかにするのは控えたいと思うが、8話の撮影現場には南勝久先生とケイスケサカモトさんがたくさんの差し入れを届けてくださり、みんなに『ザ・ファブル』のサインまで描いてくれたのだ。本当にすまないが、南勝久先生は自身の作品の映画化の際には、一度も現場に行かれてない。
それなのに……その答えは、南先生とケイスケサカモトさんの想いをインフォーマ・チームが受け継いできたからだ。
猫組長も南勝久先生もケイスケサカモトさんも、みんな現場で笑顔であった。繰り返すが、なぜだかわかるだろうか。そこに至るまで、私の含め作品にかかわるみんなが、どれだけの熱量を持って汗を流しているかを知ってくれているからだ。
それだけではない。出版社などのさまざまな垣根を超えて、たくさんの人たちが『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』のために協力してくれ、差し入れを届けてくれた。そうした一つ一つに想いがあるのだ。
感動や興奮を銭金で買えないように、人々のそうした想いも銭金で買うことはできない。私はそこにまたドラマを見るのである。
今夜放送される第6話では、木原慶次郎とポンコツ、それを追って鬼塚拓真、二階堂、優吉が日本へとやってくる。
ふと思い出し、クスッとすることがある。シーズン1でのことだ。海外から冴木、オカ、キムの殺し屋たちが日本にやってくるシーンで、ある空港に撮影のお願いにいったら、「殺し屋たちが海外からやってくるシーン⁈ そんなのドラマでも無理ですよ!」と断られたことがあったが、今作ではもう断られることもなくなった。
「よく借りれましたね!」と、業界関係者に驚かれるような場所も貸してもらえるようになった。ちなみに、シーズン1の木原の初登場シーンのマンションは、当時、私が住んでいたマンションだったりする。
人の数だけドラマがある。だからこそ、物語を作ることは面白いのだ。
第6話では、舞台挨拶の際に話した、私の「同級生」池内博之さんが演じる鬼塚拓真が「獣」と化した理由が明らかになるのではないだろうか。