その熱量が人々の心を動かして、「やりましょう!」となってくれるのではないかと思う。それはどんな職業でも職場でも同じではないだろうか。
目に映るものの表面ばかりを見ていれば、その背景に気づけないのは当たり前のことで、私は常に裏側に視点を合せてきた。そこには努力の汗や多くの苦悩があって、そして情熱があるのだ。
猫組長に出演オファーするのは『ムショぼけ』『インフォーマ』、それに某俳優に頼まれて私自身がメガホンを握った未完のショートドラマに続き4度目で、お芝居の上手さは私が熟知していた。そして今回も豪華俳優陣の中で、堂々とした素晴らしい演技を披露してくれている。
ケイスケサカモトさんとは、『ザ・ファブル』の作者・南勝久先生の紹介で知り合った。南先生から初めて聴かせてもらったケイスケサカモトさんの曲が、今夜流れる挿入歌「あなたと元気に暮らした町」だった。その瞬間に、私は、多くの人に聴いてもらいたいと思い、自身の作品の挿入歌としてオファーしようと決めていた。それは去年の夏のことで、まだ『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』の撮影1年前のことだ。
それを実現させるには、どうすればよいか。簡単である。私自身が現地へと行ってシナハンを進めて、物語を書く作業を進めるのだ。実際、そこから原作小説『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』を書き、すぐにドラマ化を決めた。書けなくて苦しい夜なんて毎日だ。でも、それくらいの中で書かないと、物語に対して失礼ではないかと思っている。そしてだからこそ、私は、自分の筆にも仕事にも矜持を持っているのだ。
そして孤独な戦いに打ち勝ち、またみんなと仕事ができることが決まった瞬間は何物にも代えがたい。
気持ちは気持ちを産む。私は物語を生み出す小説家でありクリエイターなので、その裏側のサイドストーリーも大好きだ。『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』の日本パートの撮影では、何度も猫組長が大勢の差し入れを持ってきてくれた。10人20人分ではない。いつも100人分を軽く超える差し入れだ。