興玉さんはスサノオの手によって息を吹き返しますが、スサノオはお父さんにお酒を買って帰らないとまた殴られるから、家に帰ると言います。神様は互いの人間としての日常生活に干渉できないので、誰もスサノオを父親の暴力から守ることはできません。殴られに帰るこの小さな男の子を、ただ見送ることしかできない。人間を守るための神様が、人間に殴られるために家に帰るしかない。まったく人間ってやつはもうダメなんです。ダメなところまで来ている。

 それでも神様たちは人間のために、ヒルコとの戦いに挑んでいきます。目下、ヒルコの正体と見られていたIT会社社長の寿正(野間口徹)までたどり着いた興玉さんたちでしたが、神の能力を知り尽くした寿によって身柄をとらえられてしまいました。

 そして、寿がヒルコの最終目的にいよいよ着手します。「もう止められない」。ヒルコの話題に夢中の人間たちが年中チェックしているSNSに細工を施し、彼らの意識をハックしたようです。

 街には、人の雨が降りました。

 警察署でも、次々に職員たちが自分の頭を拳銃で撃ち抜いています。

 そんな中、警察側からヒルコ捜査に参加していた二宮のの子(成海璃子)が、小夢っちと対峙していました。

「ネットに夢中になって、SNSでくだらないウワサやウソを見て、全部わかったつもりになってるバカたち。愚かな人間たちを選別して、新たな世界を作らなければならないんだよ」

 のの子の口から語られたのは、ヒルコの言葉でした。

「おめでとう、おまえには新しい神になる資格がある」

 のの子は小夢っちの首元に呪符を貼り、2人は新世界の構築へと歩き出すのでした。

 これ、ずっとネタバレを書いているわけですが、全然ネタがバレている感じがしないね。なんかピンとくるところがあったら、FODなりNetflixなりで全話見られるので、どうぞ、こちらの世界へ。楽しいよ。

■それは意志なのか

 そこらへんのバカを全員自殺に導き、新世界を作ろうというヒルコ。その本当の正体というのが最終回を前に残された最大の謎になるわけですが、ポイントはそこに何者かの意思が介在するかどうかというところだと思うんですよね。