第5話の終了後に流れた予告で興玉さん(藤原竜也)が「僕も、神です」と言い出し、何もかもをひっくり返してきたドラマ『全領域異常解決室』(フジテレビ系)も最終回前の第9話。最終回の予告では、同じ興玉さんが「僕がヒルコです」とか言ってましたね。
もう、なんなんだ。
振り返りましょう。
■この世の人間は2つに分かれる
もう、この世の人間は2つに分かれると言っていいでしょうね。『全領域異常解決室』というドラマを見ているか、見ていないか。そこに大きな断絶があるのです。
どういう断絶かというと、例えば見ていない人が私たちに「今やってる藤原竜也とアリスちゃんのやつ、どういう話?」「なんかネットで盛り上がってるみたいじゃん」などと聞いてきた場合、私たちはそれを正確に応える言葉を持ちません。
「あのね、神様なんだよ……」
「人間はもうダメだ、ダメなところまで来ているっていう……」
「それが超おもしろいんだよ、フフフ……」
完全にやべーやつの出来上がりです。かろうじて「ユースケ・サンタマリアもいい味出してるよ」くらいにとどめておくのが妥当でしょう。
さて第9話。首元に呪符を貼り付けられて意識を乗っ取られた局長の宇喜之さんこと宇迦之御魂神(小日向文世)が、ヒルコに操られて興玉さん(興玉神だと思っていたら実は天石戸別神だった人)を消しにかかります。
向けられた銃を払ってなんとか制圧したかに見えた興玉さんでしたが、スキを突かれて呪いのペンみたいなやつで背中を刺され、出血が止まらなくなってしまいました。以前、小夢ちゃんこと天宇受売命(広瀬アリス)もこれでやられて瀕死の状態になりましたが、そのときは佃さんこと月読命(石田ひかり)が月夜の光を借りて時間を戻し、なんとか一命を取り留めることができた。その月読命は前回、人間の愚かさに絶望して自ら神様としての生涯を閉じてしまいましたので、興玉さん大ピンチです。
そこで召喚されたのが、病気平癒の能力がある建速須佐之男命、スサノオですね。現世ではスサノオは小学生の男の子をやっており、どうしようもない父親にDVを受けていました。