学生のうちに世界一周しておけばよかった!と後悔しているなら、今からでもチャレンジしませんか?そうはいっても資金の貯め方や帰国後の社会復帰など、気になることは多いですよね。そこで今回、約1年間の世界一周旅行を経験した高林慎之介さんにお話を伺いました。

世界一周に出たのは30歳のとき。それまではITベンチャーや船舶会社に勤務

――高林さんは30歳で世界一周旅行に出たとのことですが、それまでは何をしていたんですか?

高林慎之介さん(以下、高林) :大学卒業後はまず、ITベンチャー企業に就職しました。その後、その会社を退職してからは、ワーキングホリデービザを取得してオーストラリアへ。現地で2年間過ごした後、帰国して海運業の船舶会社に就職したのですが、30歳で再び退職して世界一周旅行に行くことに決めました。

――世界一周旅行に出かけようと思ったきっかけを教えてください。

高林 :自分とは違う価値観を持っている人の話を聞くのが好きなので、いろんな人の話を聞きたかったんです。オーストラリアで働いたときも、国内で北海道や沖縄で働いたときも、自分とは全然違う生活スタイルを経験し、異なる価値観を持って生きている人たちの話がとても興味深いものでした。だから、世界に出てもっとたくさんの人の話を聞きたいと思ったんです。

(タンザニアで出会って仲良くなったみんなと)

旅に出るために2年間で200万円を貯蓄

――世界一周するにはどのくらいの資金が必要ですか?そしてどのくらいで貯められるものでしょうか?

高林 :準備から帰国までにトータル300万円程度必要でした。会社員をしながら2年間で200万円貯蓄し、残りは親から借りました。

――貯蓄を使い果たして仕事も辞めることに不安はなかったですか?

高林 :とても不安でしたよ……帰ってきてから仕事があるのか、旅に出て得るものがあるのかなど色々考えました。年齢的にも、周りの友人たちは仕事が波に乗り、やりたいことに打ち込み始めていたので、その一方で自分はフラフラ旅に出るんだな……と思わずにはいられませんでした。

しかも、周りの多くは旅に出ることに反対で。多かったのは、「そういうことは学生時代にするものだ」「いまさら自分探しをしてどうするの?」という意見です。でも、なかには応援してくれる人もいました。

(ロシアのワールドカップでは旅行中の日本人とも仲良くなった)

――大勢の反対を押し切って旅に出て、結果的によかったと思いますか?

高林 :はい。今考えても、あのとき思い切って旅に出て本当によかったと思います。しかも、旅の途中にアルゼンチン・パタゴニア地方で食べたラム肉があまりにおいしかったことで、帰国後、旅した国々のエッセンスを取り入れたラム肉専門店をオープンするという目標もできました。

帰国から1ヵ月を待たずして店をオープンできたのは、飲食業界で活躍している父親のサポートのおかげでもあります。

しかし何よりも、それだけ情熱を持って打ち込めるものを見つけられたことが幸運でした。旅に出ていなければ、会社員を辞めてレストランをオープンするなんてことにはならなかったと思います。

旅の途中では自分と向き合う機会も多いので、自分がどういう人間なのかという理解が深まったこともよかったですね。

年齢を重ねるにつれて、困難にぶつかったときの対処法を考えたり自分を内省したりすることも少なくなりますが、旅ではそれが日常茶飯事です。

変化の中に身を置くことで、「チャレンジする勇気」が身についたし、「この先もし仕事がなくなってもどうにかして生きていけるだろう」という楽観的な考え方もできるようになりました。

(アルゼンチン・パタゴニアにて。旅で出会う人々は、撮影をお願いするとみんな快く引き受けてくれた)

――現在会社勤めをしているけれど、世界一周の旅に出たいと考えている人にアドバイスをお願いします。

高林 :世界一周したい思いがあるのなら、すぐ旅に出たほうがいいと思います。「世界一周」という言葉にとらわれず、自分の好きな旅はどんな旅なのかをとことん考えてみるのもいいと思います。

アジアの国々を巡るのもいいし、会社の休みを利用して2週間程度の旅に出るのもいい。行く理由なんて考える必要はなくて、「行ってみたいから行く」で十分です。

周りの反対やお金の問題、退職が困難、家を引き払わないといけないなどたくさんの障害もあるかもしれませんが、そんななかでも、今現在実際に世界を旅している日本人はたくさんいます。

望めば、きっといろんな人が障害を乗り越えるために役立つアドバイスをくれるはず。わたしも、いつでも相談に乗りますよ。ぜひ夢を叶えるためにがんばってください。世界は本当に広くて狭い。行きたいときに行きたいところに行って、今しかできない経験を重ねてくださいね。

(高林さんのお店ではアイスランド産の希少なラムを使った世界の料理を楽しめる)

――ありがとうございました。

バックパッカーの先輩のお言葉が、とても心にしみたという人は多いのでは?世界一周旅行に興味がある人は高林さんのお店でラム料理を楽しみながら、気になることを聞いてみるのもいいかもしれませんね。

仔羊こだわり屋
住所:〒106-0045 東京都港区麻布十番2-16-9 網代ビル2F
電話:03-3452-3902
営業時間:18:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:月曜日

提供・UpU

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