ラストでママ(麻生久美子)が「結のやりたいことってなんだっけ?」と問い、結の頭に浮かんだのは専門学校への進学を両親に告げたシーンでした。
「一生懸命向き合っとう人を、支える。そういう仕事が自分に向いとうと思う」
ここでそっちの回想を使うなら、神戸編であんなに何度も「翔也を支えたいから」って言わせんなよな。
■殺してはいけないエピソードを殺した
誰がどう見ても、ああ結を星河に就職させたいんだな、というのはわかります。でも、そのきっかけとして今回、翔也が結の献立を無視して大食いしていたというシーンにはほとほとあきれ返りました。
こうして物語が物語を裏切っていくたびに、過去に描かれたシーンが無価値になっていきます。翔也という人物が愛せなくなっていくし、結とサッチンの関係性の成熟も断ち切られる。ドラマがぶつ切りになって、色を失っていく。
あとなんだっけ、結が就職が決まらなくてバツが悪いという理由で授業をサボってるシーンね、あそこはシンプルに「やっぱ不真面目かよ」と思って、結という人物がまた愛せなくなりました。
複雑にも、シンプルにも、愛せない。
北村有起哉と麻生久美子の若作り仮装コントは、ああいうのは嫌いじゃないよ。嫌いじゃないです。
(文=どらまっ子AKIちゃん)