翔也は社会人野球の星河電器への入社当時、食べ過ぎて調子が出ないという時期がありました。それをきっかけに、結が社食のメニューを組み合わせて栄養バランスが取れる献立を作り、翔也はそれに従うことにしました。
その結の作った献立はバランスこそ取れているもののカロリー不足で、翔也はさらに調子を落とした。でも、大好きな彼女が作った献立だから、できる限りその指示通りに食事をしたい。
結はサッチンとの会話からその献立がアスリートに相応しくないことに気付き、サッチンと2人で献立を作り直しています。
結の翔也への愛情、翔也の優しい性格、結を嫌っていたサッチンとの和解など、さまざまな要素が語られた大きなエピソードです。このエピソードがなかったら、サッチンと結はいまだに口もきいていないはず。2人が和解していなければ炊き出しも成功しないし、炊き出しが成功していなければナベさん(緒形直人)も元気になっていない。いわば、あの献立のエピソードは阪神淡路大震災の被災者の心の回復を描く、その出発点になっていた。
当然、時間がたった今でも翔也は結とサッチンが作った最適な献立に従って食事をしていると思うわけですよ、見ている側は。だって調子がよくなってるし、来年にはプロにも進もうというのでしょう、食事にうるさいメンディーもいるし、翔也という選手の食事がピッチングの調子と直結していることは糸島編から何度も語られている。それだって、こっちは納得できないものを無理やり納得してきた描写です。それなのに、まさか無視して適当に食ってるとは思わないよね。
適当に食ってました。翔也くん、またごはん大盛りにして食いすぎて、練習で動けなくなってる。
メンディーももう、翔也という人には直接何か言っても意味がないと思ったんでしょうね。会社に「栄養士を雇ってくれ」と直談判していました。
そんなこんなで「就職が決まらない結」と「栄養士を欲しがる星河野球部」という構図を設置して、次回へ。