会場では、すでに試合開始のリングが鳴っていました。最初は好調だったほこ美ですが、相手のパンチによってスパーリングのトラウマが蘇ってしまい、その隙をつかれて先にダウンを奪われます。
ほこ美がマットに倒れ込んでいると、ようやく海里くんが到着。その姿を見たほこ美は立ち上がり、見事、逆転ノックアウトで勝利を飾るのでした。
リングサイドでシャッターを切り続けていた海里くんに駆け寄るほこ美。その場で抱き合ったり、おでこをくっつけ合ったり、一緒に写真を見たりとイチャイチャしています。別にいいけど、それは控室でやったほうがいいね。
そうして再びカメラマンの道を歩き出した海里くん。ほこ美ともいい感じで付き合い直すことに。あと、ほこ美にフラれた市役所の大葉さん(小関裕太)はほこ美と同じジムに入門し、トレーナーのゆいさん(岡崎紗絵)に乗り換えるようです。ゆいさんもまんざらでもない感じで、万事ハッピーエンドとなりました。
■そういえばロッキーも
「リング禍=殺した」という扱いについては、もうさんざん過去回で文句を言ってきたので今回はそれ以外の話。
ボクシングの試合をドラマのクライマックスに持ってきたからには、この試合をどう撮るかが、やっぱり作品の評価そのものにつながってくると思うんですよね。試合のシーンがシャバかったらシャバいドラマになるし、バシッと決まってたらいい作品になる。
結果、全然シャバくなかったですね。
奈緒ちゃんすごく練習したと思うし、最後、逆転の右アッパーを振ったシーン、その顔にはちゃんと迫力があった。ボクサーという生き物の顔をしていたと思います。そういえば『ロッキー』(76)のロッキー・バルボアがその映画のクライマックスでアポロにブチ込んだのもサウスポースタイルからのアッパーだったね。あれは右じゃなくて左だったけど、ボクシングのドラマを作って、見ている人が「そういえばロッキーも……」なんて、あの50年近く前の名作が思い浮かんでるわけですから、それは成功している、ボクシングを撮り切っているといっていいと思いますよ。