またまたボーっと考えごとをしていることが多くなってきた米田結(橋本環奈)、時おり思い出したように物事をギャル魂にこじつけて何か言う以外、まったく性格がギャルじゃないので、もうファッションで主張するしかないんでしょうね。朝っぱらからノースリーブ&ショートパンツの露出過多でうるさいんです。ギャルファッションにはギャルファッションのTPOってものがあると思うんだけど。
NHK連続テレビ小説『おむすび』における「ギャル魂」って、そもそもは明るくポジティブで自分らしさを大切にする人と定義されていたはずですが、ドラマから提示される「ギャル魂」って強引にプリクラに連れ込んだり、唐突に「アゲ~♪」って叫んだりという表層的な部分だけなんです。根本のうじうじと考え込むクセは変わってないので、そういう結の行動が「結らしくない」「結が自分らしく生きていない」と見えてしまっている。
第49回、振り返ります。
■率先しろ
「炊き出し隊長」に任命された結、近所の大人たちに聞き込みをした結果、炊き出しの料理は味が濃すぎたり薄すぎたりしたという情報を入手します。
どうしてだろう、と頭を悩ませていると、専門学校の同じ班の連中が次々に答えを持ってきてくれる。カスミン(平祐奈)が先生に聞いてきて「疲れて塩分を欲していたから味が濃くなったのでは」という仮説を持ってくれば、サッチン(山本舞香)は「薄くなったのは野菜から出た水分を加味してなかったのでは」という自説を述べる。モリモリ(小手伸也)は寸胴鍋での温度管理の難しさについて調べてきている。そこまでお膳立てしてもらって、じゃあ「献立考えて」と言われたら、「えっ? うちが?」とか言ってる。
どこまでも他人任せ。別にそういう人がいても不思議じゃないんだけど、これポジティブの対極にあるキャラクター付けなんです。ポジティブな人は自分で率先して調べるし、わからないことがあれば自分で先生に聞きに行くでしょう。そうやってみんなを引っ張っていくのが「ギャル魂」でしょう。