『クラブゼロ』ジェシカ・ハウスナー監督 インタビュー

ジェシカ・ハウスナー監督(作品公式より提供)

ジェシカ・ハウスナー監督(作品公式より提供)

ミア・ワシコウスカのファンだったハウスナー監督

非常に興味深く、印象に残る映画でした。あなたがこの映画『クラブゼロ』を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

ジェシカ・ハウスナー(以下、ハウスナー):最初に、生徒たちを操作する教師の映画を撮ろうというコンセプトが浮かびました。狂気的で急進的な側面がどんどん極端になっていって悲劇を生む…そんなアイデアを膨らませていったのです。

ミア・ワシコウスカを主演に選んだ決め手は何ですか。

ハウスナー:まず私はミアの大ファンだったので、これまでも彼女の俳優としてのキャリアを追ってきました。そして彼女はミス・ノヴァク役にぴったりだと思っていました。一見すると純粋無垢で無害に見える一方で、実はとても強いエネルギーにあふれていて、狂気的で手のつけられない部分を持っている、そんな矛盾したキャラクターの極端な側面を、彼女なら演じられると思ったのです。

ミア・ワシコウスカ(©︎COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINÉMA 2023)

ミア・ワシコウスカ(©︎COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINÉMA 2023)

ミアにはどのような演技を求めたのでしょうか。

ハウスナー:ミス・ノヴァクにはカルト集団のリーダーのような側面があるので、私たちはカルト集団のリーダーに関して入念なリサーチを行いました。結果、私たちはミス・ノヴァクを真に“信じる者”だと定義づけたのです。彼女をサイコパスのキャラクターとして強調するようなことはしたくありませんでした。彼女は自分がまっすぐに信じた真実を、そのまま生徒たちに伝えようとしていて、心から“いいこと”をしているつもりです。なので、ミアにはよく「支配的に演じすぎないで」「オープンな心で、正直に語る人でいて」と伝えていました。