それでも11月24日夕、首相の携帯に「恥晒し外交」についての見解を問うメールを送ったところ、なんと夜になって折り返しの電話があった。
「あの~、メール見ました、ご苦労様。色んなご指摘はあります。それはね……」
声の主は首相本人。朴訥とした調子で、外遊を振り返り始めるのだった。――
文春によれば、ペルーで開かれたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で各国首脳が談笑する中、石破茂首相(67)が議場の自席でひとり、手元の携帯電話をイジっていたという。近づいてきたマレーシアのアンワル首相に握手を求められ、笑顔で応じるものの、その体はどっしり椅子に座ったままだった。「恥晒しだ」と顰蹙を買った首相の振る舞い。首脳らとの会話もよそに、いつも携帯で何をチェックしていたのか。
「自身の評判に気を配り、ニュースは頻繁に見ている。議員や支援者らにもショートメールでこまめに返信しています」(首相周辺)
こうした「恥晒し外交」(文春)について石破はこう答えたという。
「それはね……、人に迷惑をかけては、とにかくいかんので。立場をちゃんと認識をして、ご指摘を踏まえて、最善を尽くしましょうと」
――それは外交マナーへの指摘に関して?
「そういうふうに見る人がいるわけで。やっぱり一番こう、……粗探しと言ったらいけませんね。何て言ったらいいんでしょう。もう三百六十度、気を使わないと、この仕事は勤まりませんよってことですね」
――タバコが吸えないストレスや、体調は?
「ありますけど、それがコントロールできないと、この仕事はいかんですよね」
そして最後にこういったという。
「そいう仕事なんですよ。それは。ああしたいこうしたいって言ったらもう勤まんない仕事なんですね……」
まあ石破さん、そう長いことないんだから、気張っておやりなさいな。そういってあげたくなるな。
お次は不祥事が相次ぐ野村證券に文春が斬り込んでいる特集。