このドラマのホームコメディパートとサスペンスパートをつなぐ重要な人物として、いつも真っ白の上下に身を固めているミステリアスな男「X」というのがいて、岡山天音が演じているわけですが、一方でサスペンスパートで尾崎匠海が演じている若手記者の役名が「天音」なんですよね。

 今回、先輩記者の工藤楓(桜井ユキ)のスマホが鳴って、着信画面に「天音」という文字が出たときに、どっちだっけ? と、ちょっとだけ混乱しました。普通避けるよね、こういうの。例えば岡崎体育が演じている市役所職員が「向井」だったり、山梨県警の刑事・高田(柿澤勇人)が「柳楽」だったりしたら、やっぱり混乱するわけで。

 それと、DV夫・橘祥吾(向井理)の部下である怖い顔の男が乗ってるクルマがシボレーアストロ・スタークラフトでしたね。このドラマではわりと車移動のシーンが多く登場するわけですが、謎の男「X」は黒のミニクーパー、市役所のかわい子ちゃん(齋藤飛鳥)はオフブルーのハスラーと、クルマもキャラクターに合ったものが用意されているんですよね。でもちょっと「怖い人だからアストロ」は主張が強すぎるよなぁと思いました。20~30年前には厳つい兄ちゃんがゴロゴロ転がしてたけど、今ほとんど見かけないもんね、アストロ。ここは普通に黒い高級セダンか、アルファードあたりが妥当ではないかと思いました。この人に、妙に「物好きで物持ちのいい人」というキャラが乗っかっちゃってるなと。

 気になったのはそこらへんだけ。あとはホントに素晴らしい回でした『ライオンの隠れ家』(TBS系)第8話。振り返りましょう。

■「今日は、特別に遊んだら?」

 やっぱりこのドラマの最大の楽しみはASD青年のみっくん(坂東龍汰)とその兄・ヒロト(柳楽優弥)、それにライオンくん(佐藤大空)の演技合戦にあるわけですが、そこに今回はライオンこと愁人のママ・愛生(尾野真千子)も加わり、佐渡のペンションでの束の間の団欒が描かれました。