ロンドン出身の俳優レゲ=ジャン・ペイジは36歳。Netflixのドラマシリーズ『ブリジャートン家』(2019年)で主役を演じて大ブレイクし、人気をさらった。

 候補者が多いのはいいことだが、早く決めないと、26作目はシリーズ史上、前作公開から最も時間がかかった作品になってしまうかもしれない。

 1作目の『ドクター・ノオ』から4作目の『サンダーボール作戦』(1965年)までは毎年、公開されていた。

 5作目の『007は二度死ぬ』(1967年)は公開まで初めて2年の期間を要し、8作目の『死ぬのは奴らだ』(1973年)まで、2年に1本のペースが続いた。

 9作目の『黄金銃を持つ男』(1974年)は翌年に公開されたが、10作目の『私を愛したスパイ』(1977年)が公開されたのは前作から3年がたっていた。

 その後は16作目の『消されたライセンス』(1989年)まで再び2年に1本のペースでの公開となったが、17作目の『ゴールデンアイ』(1995年)の公開までは6年の期間が空いている。17作品目をめぐってボンドの権利ホルダーと配給側との間で意見が対立し、法廷闘争となったためだ。

 その後は24作目の『スペクター』(2015年)まで2~4年の間隔での公開だったが、25作目『ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)は新型コロナの感染拡大で公開日が3回延期され、当初予定より1年6カ月遅れの公開となった。このため前作との間隔は6年となった。

 これまで最多の6年というのは、特殊なケースの時だけだが、そろそろ新しいボンドを決めないと、「ボンド不在期間」の新記録を打ち立ててしまうことになりそうだ。ファン離れを防ぐためにも、急がなければならず、考えているうちにまた時代が変わってしまえば、新しいボンドの顔に泥を塗ることになる。