スーパーにとって、現金払いのメリットとは以下2点が挙げられます。
①クレジットカード会社に手数料を支払う必要がない
②その場で現金を得ることで、即座に資金繰り(キャッシュフロー)に使える
また、カード決済に対応するシステムの導入や維持管理にもコストがかかりますから、現金払いならそれを全額削減できるというメリットがあります。
ディスカウントスーパーの「OKストア」は、会員カード提示で現金払いのみ3%割引(酒類を除く食料品)していますが、カード会社に手数料を払うより、3%分をお客様に還元したほうが、自社やお客様にメリットがあると考えているのでしょう。現金払いのみのロピアでも、手数料分を商品価格に上乗せしないことで、お客様の支持を集めているといえるでしょう。
よく「あの店は安いけど、現金払いのみだから行かない」という話を聞きますが、本来は「あの店が安いのは現金払いだから」と解釈するべきであり、カード決済の手数料を省くことで低価格を実現している以上、その店でクレジットカードが使える日はおそらく来ないでしょう。
「当店はお客様にご不便をお掛けする分、お値段を安くします。それでいかがでしょうか?」という両者の暗黙の「譲歩」がそこにはあります。
スーパー独自の電子マネーカードに“罠”?
スーパー業界では、「トライアル」や「業務スーパー」など独自の電子マネーカードや決済用のアプリを導入している会社が目立ちます。クレジットカード決済には手数料がかかる半面、もしその仕組みを自社で運用できれば、店側にとっても大きなコスト削減にもなります。
スーパーに限らず、皆さんの財布の中にも電子マネーカードば何枚か入っているのではありませんか? お客様はそのカードにお金をプリペイド(先払い)することでポイントやクーポンがもらえ、割引などのサービスが受けられます。
「プリペイドの罠」とまでは言いませんが、まだ何も買われていないのにお金だけ先にもらえるのですから、少しくらいサービスしても十分勘定は合います(笑)。