そこにサッチンが現れると急に泣き出し、見かねたサッチンが献立作りを手伝うことに。その理由は「半べそかかれたらほっとけへんやん」とのことで、チョロいなって感じですが、まあこれもいいや。

 具体的な献立を作り直すにあたって、サッチンは結ちゃんに翔也の体重を尋ねます。それに体脂肪率と筋肉量、どんな体作りをしたいかというビジョン、確かに、アスリート向けの献立を作るなら必要なデータなのでしょう。結ちゃんはまったく何も把握していなかったので、おそらく「19歳男性」の平均的な消費カロリーの中で栄養バランスを取ることだけやってたんでしょうね。ひでえ話だけど、これもとりあえずスルーします。

「月曜日からもう一回考えよ」

 そう言ってカバンから参考書などを取り出し、サッチンは献立を考え始めるのでした。

 いや、いや、いや、今まさに体重や体脂肪率、筋肉量やビジョンを加味して献立を考える必要があると言った人間が、それを把握せずに何を作るつもりなのか。

「それがわかんなきゃ話になんないから先に聞いといて」もしくは、「質問事項はこれとこれとこれ、今メールして」。

 その段取りを、なぜ飛ばしてしまうのか。この瞬間、サッチンは偉そうに御託だけは並べ立てるけど、実務になると途端にいい加減になる人として人物像が確定してしまうわけです。あれだけプリプリと不平不満を振りまいておいて、それを逆転させるはずの金曜日の回で、完全に空振りしてる。さらに信頼を失っている。知識と栄養学に対する誠意だけが長所だったはずのサッチンの、いいところが何もなくなっている。

 それをもって結ちゃんが「サッチンもギャルやん」なんて言い出すあたりでは、ドラマの根幹であったはずの「ギャル魂」でさえ「偉そうに御託だけは並べ立てるけど、実務になると途端にいい加減になる人」と再定義されてしまっている。絶望的な脚本の手抜かりです。

■ナベさんもなぁ

 結パパ(北村有起哉)がナベさんのところに靴を持ち込んで修理を依頼することで、ナベさんが息を吹き返すくだりにもいろいろ言いたいけど、もういいや。