「いつまでも心の中で、夏野(ミワさんの旧姓)は大切な友達です」「がんばれ」「ずっと応援してる」
なんにも知らない冬月のしたためた手紙には、「素敵な思い出」「素敵」「素敵」というお気楽な文言が並んでいました。この人は自分のせいで夫婦に危機が訪れていることすら知らないんだよな。わりと前半から「大切な人を守れなかった」とか「夏野のことを守れない」とか抽象的な懺悔を繰り返してきた冬月でしたが、無知こそが罪だね。その懺悔のすべてが上滑りしていたかのように見えてくる。哀れなものです。
一度はミワさんを家から追い出したヒロキでしたが、それは自分がミワさんを裁こうとしていたのだという思いに至り、自らマンションをミワさんに差し出して家を出る決意をするのでした。「離婚しよう」。養育費とか、きっと払ってくれるんだろうな。大人なヒロキと、ただ無邪気に自己陶酔しているだけの冬月とのコントラストが浮かび上がります。そして来週以降、無邪気なピュアボーイが射精責任を問われていくことになるのでしょう。
今回までで、栞の実の父親を知っているのはミワさんとマコト、知らないのはヒロキ、冬月、リサとなりました。
マコトがそれを知る段取りは、作劇的にはけっこう強引だと思ったけど、さらに暗躍させるつもりなのでしょう。このドラマが終わったとき、マコトを演じる恒松祐里さんという俳優にはけっこうなヘイトが集まる予感がします。「もうしばらく顔も見たくない」「どうしてもあのマコトを思い出しちゃう」それって俳優という仕事をするうえで最高の勲章だもんね。とびきりの勲章をつかめ、JOKERマコト!
(文=どらまっ子AKIちゃん)